自宅を出て5 分。燻んだ木の扉の喫茶店。ここそが私のユートピア。チェーン店のように清潔感があるわけでもなく、ましてや「インスタ映え」するようなインテリアがあるわけでもない。静かにジャズが流れ、座席はカウンターが8 席しかない小さな店で、奥さんが接客を、旦那さんがマスターとそれぞれ担当している。いつからこの場所で営業しているのかは分からないけれど、店内を見渡すにかなりの年月が経っているとみられる。
店内をぼうっと眺めていたら、注文していたカフェラテが運ばれてきた。意外にもラテアートが施されたカップから心地の良い香りが立ち上る。まずは一口。ミルクのまろやかさの中に程よく効いた苦味とわずかに感じる酸味。この店は独自にブレンドされた豆の味わいが人気だが、休日の朝一に飲むのはカフェラテと決めている。十年前に引っ越してきて、何気なくこの店に入りコーヒーを頼んでからその味に惚れ込み、マスターの使う器具や淹れ方をめで盗もうとしている。
マスターが使っているラッセルホブスのカフェケトルやゴールドフィルターなど、淹れる道具や仕草は同じようにしているつもりなのだが、どういうわけか家で私が淹れるコーヒーは風味が違う。かなわないなぁと思いながらカップを置く。さて、マスターお勧めの豆を購入して家でもう一度試してみよう。
ラッセルホブス カフェケトル7410JPと
クラシックトースター13766JPが、
長年にわたりユーザーからの高い支持を得て、
今後もその価値を発揮し続けるであろうと考えられるデザインを
顕彰するグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しました。